9月28日
ディジョンからパリへ列車で3時間。
2度目のパリは、前回の苦痛な思い出がよみがえってしまう・・・
2003年にイタリア全土を食べ歩き旅行していた頃の私は、暴飲暴食の真っ只中で、とにかく地方料理を食べて、ワインを飲みまくり。それが、人生の喜びであった。でも、その時は、豚肉アレルギーも全盛期で、ひどいときは肉を食べるとめまいがしてたおれたりもしていた。だけど、ヨーロッパにきて豚肉を食べないなんてもったいない!などと思っていたので、食べた後に気分が悪くなるのをわかってても、レストランでの食事を繰り返していた。
そんな時に、パリにきて赤いチェックのテーブルクロスがひいてあるビストロで、テリーヌやら赤ワイン煮込みを食べて、その気分にひたっている直後、お店のトイレで倒れた。どうやってホテルに戻ったのか覚えてないけど、一晩中ベットとトイレを往復して夜を過ごした事を思い出す。
これが、きっかけでもう2度と豚肉食べるのをやめようと思えたほど、辛かった・・・
その翌日は、ふらふらになりながらも、パリの町を散策していた。その時にサンジェルマン・デ・プレ付近の細い路地を歩いてて、なんとなく身体によさそうな雰囲気が漂っていたので、入ってみたのが、ここのレストラン。
そのレストランには、テーブルに醤油とごま塩が置いてあって、店内には昆布やわかめなどの海草が販売されていた。
料理はワンプレートにカラフルな野菜と雑穀がたっぷりのっていた。
なんなんだろうと思いながらも、食べた後は、身体がすっきりしたのをよく覚えている。
その後、帰国して身体の調子を整えるためにマクロビオティクを始めて、菜食中心の食生活へと変更。 マクロビオティックを勉強している時に、読んでいた本の中に、パリで入ったレストランが紹介されていた。ここは、創業30年以上のヨーロッパでも老舗のマクロビレストランだったのだ!
私はマクロビオティックを知らない時から、パリのレストランですでにその料理を体験していたという事。運命を感じた・・・
という訳で、物価高のパリで外食するのを躊躇していたけれど、ここのレストランには絶対に行きたかったので、ランチを食べに行ってきました。
もう一度行って見てビックリ!
何であの時ここにたどり着いたのだろうと思うほど、ややこしい道だった。呼ばれていたとしかおもえないわ。
お店の名前は「GENMAI」。
店内は前とほとんどかわらず、入り口のショーケースには、料理やケーキが並んでいる。
そして、テーブルの上には瓶入りの小豆島の醤油とごま塩が。
まずは、みそスープから。4,2EUR
干ししいたけと昆布のお出汁に八丁味噌、小さな豆腐とわかめが入っていて、刻んだパセリ少々。けっこう薄味です。なつかしいお味噌汁に感動しつつも、なんて高級なお味噌汁なのかしらと思ってしまう・・・
そしてプレートには、豆腐ペーストの入った揚げラビオリ、ビーツがたっぷりのっているサラダ、ひよこ豆のマリネ、玄米、粟、ほんの少しのヒジキとラディッシュの塩漬け、かぼちゃのペースト、カリフラワーとブロッコリーのボイルが。12EUR
マクロビオテッィック料理教室時代が懐かしい~。レシピを忠実に料理している。
味は薄めなので、周りの人たちは、醤油をじゃばじゃばとかけている。そんなにかけたら、醤油の味しかしないのでは?と思うほど。
料理も良かったのだけど、なぜか私は、久しぶりにみた「おてもと」という日本語にえらく感動してしまった。
「箸」という道具に、このような謙虚な言葉をあてはめる日本語の奥深さに涙がでそうになった。
マクロビオティック初体験にしても、この「おてもと」にしても、パリは私にニッポンを再認識させてくれる場所なのかもしれない。