マラケシュからワルザザードまで車で約4時間。
移動日はラマダン最終日。ラマダン終了翌日のお祭りに家族で過ごすため、帰省するモロッコ人でバスは満席だったので8人乗りのミニバスで行く事に。
ミニバスのチケットを販売している人が、どうみても怪しかったので、私服の警官に確認のために質問したら、急に怒り出して、チケットを販売している人を呼びつけ、私達も一緒に取調べ室につれていかれた。
その警官はものすごい剣幕で販売人を怒鳴りつけ、長々と取り調べは続いたのだけど、だんだん弱気になってきたと思ったら、別にその販売人は何も悪い事はしてなかった事が判明。
まぁ、悪い噂の多いモロッコなので私達は安心して予約ができたのでよかったけれど、あれはどうみても断食のストレス発散としか見えなかった・・・
ワルザザードに到着した日、夜に街を歩いていると、美容室はどこもにぎわっている。みんな明日のお祝いの準備をしているようだ。
私達もお祭りが見たいとホテルの人に聞いたけれど、特になにをすることもなく、昼間から家族で食事をするだけだという。
1ヶ月間、昼間に食事ができなかったのだから、明るい時間に食事をするのはさぞかし楽しい食卓だと思う。日本だって昔は、ケとハレの日の食事があって、お祭りのために料理を作ってたはずなのに、今は毎日がお祝いみたいな食事だから、この感覚はもうなくなってしまっている。家族で正装して特別な食事を頂く。大切なものがその時間にあると思う。
私達もラマダン中は少し遠慮して、明るい時間にカフェに行ったりしなかったので、早い時間からレストランに食事に向かうと、正装したモロッコ人(男性のみ)がお茶していた。
皆、和やかそうでよかった。
フランス語のメニューからまずはハリラを注文 8DH
どこのお店にも置いてあり、味は微妙に違う。ここのは具がたっぷり入っていた。
モロッカンサラダ。15DH
美しい盛り付けに感激。
モロッコ料理の定番でもあるオムレツ。こちらはエキゾッチックと名前に書いてあったけれど、なんでエキゾチックなのかはなぞ。40DH
翌日は、往復300Kmのドライブ、バラの街ケランムグナへ。砂漠の中に整備されているくねくねの道を延々と走り続ける。その間、休憩もなしでほとんど飲まず食わず、夕方ホテルに着いたときはへとへとだった。
ホテルに到着するとフロントのお兄さんが、スーパーマーケットではツーリストしかアルコールを買うことができないので、自分達のビールを10本買ってきてほしい、と頼まれた。ラマダン中はアルコールを禁止されているからビールで乾杯したいみたい。いつもの私達ならOK!!だけど、モロッコにきてから私達はアルコール類を飲んでなかった上に、疲れていて買い物にいく余裕はなかったので断った。
イスラム教徒はアルコールの飲酒を禁止されてるけれど、なんだかんだいっても隠れて飲んでる。こそこそしてビール飲まなくてはなんてかわいそう・・・お酒は楽しく飲まないと身体に悪いよ~
私達はシャワーを浴びて、昨日と同じレストランへ向かった。
メニューにサラダが10種類くらい書いてあったので、他のサラダを試すために。
2日続けて食べに行ったので、お店の人は嬉しそうだった。
まずは、ベジタブルスープを注文。10DH
タマネギとジャガイモのピュレにカットしたニンジンが入っていた。あっさりとして美味。
そして楽しみにしていたサラダは、注文したほとんどが今日は無いと言われてショック・・・
アボカドとシブレットとか気になるサラダもあったのに。
昨日からねらっていたニンジンとオレンジのサラダはあったので注文。15DH
何これ?ジュース?というかジュースだった。
千切りのニンジンに絞ったオレンジ果汁。特に味付けはなし。デザートだと思うとおいしいジュースだ。
スープの後にニンジンジュースは水分取りすぎ・・・
そして、野菜のクスクスが運ばれてきた時には、これは本当に1人前なのかと心配するくらいにビッグ。30DH
前回同様、なめらかなクスクスはおいしいけれど、二人でも食べきれないボリューム。付け合せのスープにはジャガイモ・ズッキーニ・にんじん・かぼちゃなどの野菜がたっぷり入っている。しばらくクスクスは食べなくてよいかも・・・
ワルザザードから山越えしてマラケシュに戻り、夕方にフナ広場へ行くと、観光客が3~4倍くらい増えてる気がした。ラマダン中はツアーも控えてるのかしら?休業してるお店も多いし。
先日、ものすごいテンションだった屋台のお兄さんに通りすがりに挨拶すると、再会を懐かしんでくれる普通のよい人になっていた。やはりあの異常なまでのテンションはラマダンのせいだったのか。
モロッコ滞在中にラマダン中とラマダン後が体験できてよかった。
年に1ヶ月間も食べたいのに食べれないという期間を持っているイスラム教徒は食べる事を慈しんでいると思う。もし日本で国民全員1週間日中断食とか決まったら、日本人の食に対する意識は変わるのだろうか?